彼のAIは、学習するAIでした。
100年かけて、そのAIは、「ココロ」を生み出しました。
しかし、そのココロも、見たことのない感情は学べません。
科学者は、この星に生命体が残っている、あるいは来訪することを望んで、
そのときロボットが人の心をまなべるように、そのAIをのせたのです。
彼がいつか、幸せになれる、
そんなわずかな希望を託して。
天才科学者の誤算、それは、
ロボットが、他の星の通信を傍受してしまったことでした。
たった一体のロボットしかいない星で、
彼はその通信をきいてしまったのです。